罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

日中2000年の不理解

日中2000年の不理解―異なる文化「基層」を探る』読了。


日本人は感性の国民であり、信念を持っていて何事にもその信念を基準として行動する中国人や欧米人(キリスト教徒)、イスラム教徒とは根本的に異なる、という指摘はこれまで専門家なども指摘していたような気もしますが、王敏さんは非常に身近な例をあげて説明してくれるので非常にわかりやすいです。


恐らく、王敏さん自身が、まだ確固とした論拠を自分なりに構築できていない(構築途中である)ので、われわれ読者と一緒に問題提起し考えていこうという姿勢があるからだと思います。


もちろん、このような議論を極端に進めてしまうと、だから日本時は世界の中で特殊であり他国とは理解し合えないんだという偏狭な議論に行き着いてしまいますが、そのことにもきちんと筆を伸ばしています。


ただ、一点、日本人は神社や寺院に熱心にお参りしていると述べていましたが、確かに表面的には毎年元旦の初詣など、日本人がかなり信心深く思われるような現象もありますが、あれって、あたしには一種のレジャーであって、遊園地に行く、買い物に行くといったことと同じような乗りなのではないかと思うんです。


むしろ中国の寺院や道観などの方が、よっぽど熱心に祈りを捧げている中国人を見かけるような気がするんですけど…