罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国の五大小説(上)

『中国の五大小説(上)』読了。

上巻では『三国志』『西遊記』を扱っています。ところどころ中国長編小説ならではの特長などを紹介したりしていますが、そういう細かなことにはこだわらず、あらすじで読む中国五大小説、といったノリで読み進めればよいのではないでしょうか?

改めて思ったのは、正史の『三国志』では文官の記述が充実していて武将たちはそれほど紙幅を割かれていないのに、『演義』では全くその逆の扱いになっているというところ。ほほお、そうでしたか、という思いです。

また『西遊記』だけは物語の地理的範囲が他の四つに比べて桁外れに広いんだということを改めて自覚させられましたが、それにしても中国からインドまで、当時(玄奘の生きた唐代か、物語の成立した宋明の頃か?)の地理的知識がそれほど浅かったとは思えませんが、道中まともな人間の国はなかったのでしょうか? そんなことを思いました。