罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

ことたび千葉?

かつて、あたしの勤務先から《ことたび》という語学書のシリーズが出ていたのをご存じでしょうか? 2002年頃の刊行物です。ラインナップは右の写真のとおりです。

《ことたび》とは「ことばを持って旅に出よう」の略で、旅行会話に特化した語学書です。会話書というと、こちらが質問して向こうが答えるタイプが主流ですが、語学の初心者に相手の答えを聞き取るのは至難の業です。そこで《ことたび》ではこちらからの発信をメインにして、返ってくる答えも簡単なもので済むような質問文を用意しました。

装丁もご覧のように目を惹く写真を帯に大きく使ったもので、判型も当時流行していた《地球の歩き方》シリーズに揃えています。もう10年以上も前の刊行物ですから在庫が残っているのはタイとフィリピノくらい。十二分に役目を果たしたというところでしょうか。

そんな《ことたび》なんですが、最近になってJRの駅構内でこの文字を見かけるようになりました。なんとJRの千葉支社が「コトたび」をキャッチウレーズにキャンペーンを展開しているのです。

「房総トコトコ、たびたび体験」というのがテーマのようで、これを略して「コトたび」というようです。「食べるコト」「体験するコト」「見る安らぐコト」「のって楽しむコト」を柱とした、房総半島観光のようです。

関東地区では、この時季になると房総半島南部の菜の花がニュースなどで紹介され、温暖房総半島から春の訪れが届きました、といったアナウンスがなされます。一足早い春を感じられるのが房総半島というイメージです。