罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

やはり買ってしまうのです……

刊行後それほど時間をおかずに買って読んだ『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』ですが、このほど角川新書から『八九六四[完全版] 「天安門事件」から香港デモへ』として刊行されました。

角川新書版は「2019年香港デモと八九六四の連関を描く新章を収録」ということなので、単なる単行本の文庫化とは異なります。となれば、やはり新書版の方も買わざるを得ません。そういうものです。

それにしても、六四もまもなくですね。当時、あたしはまだ学生でした。86年入学なので、大学四年生になって数ヶ月というところでした。大学二年から三年になる春休みに、一か月の短期語学研修で北京へ行っていたので、その北京であんなことが起きるなんて、衝撃以上に驚きでした。

あたしが訪中したころは、まだまだ古きよき北京の面影が街中に残っていて、日本に比べて数十年は遅れているという印象を受けました。ただ、改革開放の世になり、人々のエネルギーは日本をはるかに上回り、誰もが未来は明るいという希望を持っていたように感じられました。

それからわずか一年ほどであんなことになってしまったわけですから、まさに中国の現代史はものすごいスピードで流れていたのだと思います。