罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

うーむ、ちょっと……

録画しておいた映画2本を視聴。どちらもJホラーに分類される作品です。

まずは「きさらぎ駅」です。

これは以前からネットでは語られていた、いわゆる都市伝説だそうですね。あたしはまるっきり知りませんでした。

主人公は大学で民俗学を専攻していて、謎の失踪事件に興味を覚え、七年たって戻ってきた女性に取材に来て、きさらぎ駅のことを知るわけです。そして自分もその女性と同じ段取りで電車に乗り、同じように異世界へ紛れ込んでしまうというストーリーです。

ネットの感想サイトでは、佐藤江梨子演じる生還した女性が、同じく異世界に閉じ込められている女子高生を助けたくて、いろいろな人を唆せて異世界に送り込んでいるのではないか、という考察がありました。確かにそれはありえると思います。その結果、無事に生還した女子高生と入れ替わるように主人公が異世界に取り残されてしまいましたね。

佐藤江梨子がその女子高生の高校で教師をしているのに女子高生が佐藤江梨子を知らないというのは、女子高生が佐藤江梨子の赴任前に在学していたのだと思われます。この女子高生はいったい何年くらい異世界に閉じ込められていたのでしょう。

異世界への入る手順とか、サバイバルゲームっぽい展開など、いかにもネットの都市伝説発の映画だなあと感じました。

続いては「N号棟」です。こちらは都市伝説ではなく、実話を基にした作品だそうですが、こんな団地の話、あたしは聞いたこともありませんでした。

ネットでは「考察系」と言われているようです。確かに、ストーリーをはじめとして理解できないところが散見していて、それを見る人それぞれが考えるように仕向けられている感じがします。

最大の疑問は、あの団地に住む人々は全員幽霊なのか、それとも生身の人間でちゃんと生きている人なのか、というところです。ちゃんと住んでいるのであれば住民登録だってされているでしょうし、地域との関わりもありそうですが、そんな感じはしませんね。会食の用意をしたりスマホを持っていたりするので、いわゆる世間を捨てて自分たちだけで自給自足しているグループではなさそうです。

しかし、この作品に付いていけない最大の理由は主人公の自分勝手さではないでしょうか。いくら死恐怖症とはいえ、あの気まぐれな感じ、自分勝手な言動、ヒステリックな態度、どれを取っても友達はおろか知り合いにすらなりたくはありません。