罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

奇人と異才の中国史


岩波新書奇人と異才の中国史』読了。


国史で、かなりの実績を残しているにもかかわらず、あまり知られていない人物を五十数名取り上げた本書は、新聞に連載されていたものをまとめたため、各人の記事はかなり短めです。なので、ずいぶんと端折ってしまっていて、物足りない部分もありますが、中国史初心者にはドンドン読み進められるので、手頃な一冊でしょう。


ただ、奇人・異才と銘打ってますが、読んでみると「ごくごく普通の常識人」って人が多いような気がするのは、あたしが不感症だからなのでしょうか(爆)。ほとんどの人物は当然知っている人で、数名だけほとんど名前も聞き覚えのない人が交じっていました。うーん、自分の勉強不足がちょっと情けない。


上述のように、入門向けとしても気軽に読めますが、多少中国史を勉強した人でも、各人の記事の少なさが、「もう少し知りたい!」という適度な飢餓感を刺激して、それはそれで面白い一冊ではないでしょうか。