罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

2006-01-01から1年間の記事一覧

世界史のなかの満洲帝国

『世界史のなかの満洲帝国』読了。 ふつうの日本人が気軽に読める満洲国、満洲帝国史の本を書きたいという著者の目的はある程度は果たされたと思いますが、やはり東洋史、中国史、アジア史や日本史、それも近代史を学んだことのない人には歯ごたえのある本だ…

謝罪を越えて

『謝罪を越えて―新しい中日関係に向けて』読了。 <新思考>で話題を呼んだ馬立誠氏の作品です。原書(親本)は数年前に出たもので、その文庫化ですから、多少内容的に古びている部分もあります。 それにしても、こういった知日派、親日派が確実に中国に存在…

漢文の素養

『漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?』読了。 漢文は漢字によって表現されるわけですので、少し前に読んだ『日本の漢字』と通じるところもあり、なかなか面白く読めました。記述の多くは、漢文読解力の歴史と括ってしまうと間違っているかもしれません…

日本の漢字

『日本の漢字』読了。 タイトルこそ<日本の…>ですが、漢字全般について書かれていますので、漢字マニアには興味深く読めるでしょう。 漢字の日本独自の発達・諸相といったものを幅広く紹介していますが、焦点が何なのか、ちょっとぼやけ気味という漢字もし…

チンギス・カン

『チンギス・カン―“蒼き狼”の実像』読了。 ユーラシア大陸全域にまたがる巨大帝国を築いたジンギス・カンとなると、一般の中国史からはちょっと外れるような気もしますが、元王朝は中国の正当王朝の一つですし……。 考古学と文献斯学をミックスして、その成果…

中国が「反日」を捨てる日

中国が「反日」を捨てる日読了。 日中関係のこのところの軋轢を、主として中国共産党首脳部の権力闘争などとの関わりで述べた本です。いわゆる愛国教育のせいだ、小泉の靖国参拝がといった表面的な現象の裏にある、共産党幹部の政争や中国の社会事情にまで言…

日中一〇〇年史

日中一00年史 二つの近代を問い直す読了。 現在の日中関係に関して、楽観論から悲観論まで、それこそ数え上げたらきりがないほど出版されていますが、そういった書籍に対し本書は淡々とした語り口調で、日中近代史と知識人の群像を描いています。 <日中>と…

出身地でわかる中国人

『出身地でわかる中国人』読了。 この本、別に客観的なデータで各省ごとの特色・特質を述べた本ではありません。著者が何度も訪中した経験のみを頼りに中国各地のことを書いたもので、言葉を悪く言ってしまえば「単なる旅行の感想」です。 なので、タイトル…

「小皇帝」世代の中国

『「小皇帝」世代の中国』読了。 既に一人っ子政策の第一世代は社会人となり、購買力や学歴など様々な面で、社会への影響力を増しつつあります。そんな一人っ子世代の有り様を描き出した一冊です。 中国の場合、日本や西欧諸国がそれなりの年月をかけて歩ん…

人民元は世界を変える

『人民元は世界を変える』読了。 中国モノと言うよりは、経済モノと言った方がいいような本でした。経済・金融などに疎いあたしには少々骨が折れました。 ただ、中国モノというと「とんでも本」が多い中、むしろ本書のように必ずしも中国問題専門家でない人…