罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国が「反日」を捨てる日

中国が「反日」を捨てる日読了。


日中関係のこのところの軋轢を、主として中国共産党首脳部の権力闘争などとの関わりで述べた本です。いわゆる愛国教育のせいだ、小泉の靖国参拝がといった表面的な現象の裏にある、共産党幹部の政争や中国の社会事情にまで言及しており、「そうか。そういう見方があるのか」と目からウロコもしばしばでした。


それにしても、中国側は日本に対していろいろなチャンネルを使って対日関係改善のメッセージを送っているのに、それを感知できない日本の政治家って、どうなっているんでしょう? 外務省もしかり。彼らの情報収集のアンテナはすべてアメリカの方だけを向いているような気がします。


救いがたい日本の政治家・役人もそうですが、それでは著者のようなチャイナ・ウォッチャーが機会を捉えて政治家に物申しているのか、提言・アドバイスをしているのか、という疑問というかもどかしさも感じます。もちろん「行っても聞き入れない」ような頭の固い連中が、永田町には多いのでしょうけど。