罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

読書欄に大きく載っています

今朝の朝日新聞読書欄です。

トップに掲載の一番大きな書評は『トマス・ジェファソン(上)』『トマス・ジェファソン(下)』でした。評者は宇野重規さん。

今年は秋にアメリカ大統領選挙を控えていますので、今後もアメリカ大統領に関する書籍は増えてくると思いますし、紙面の記事、テレビの特集でも取り上げられるでしょう。現実の情勢分析が一番の関心事かと思いますが、アメリカ大統領とは何なのか、改めて考えてみるのにこういう評伝はもってこいではないでしょうか?

ケネディやワシントン、リンカン、ルーズベルトあたりですといろいろ関連書も出ていると思いますので、これまで評伝など出ていなかった大統領、日本人になじみの薄い大統領の書籍などは要注目だと思います。

でも、ジェファソンは決して無名の大統領というわけではありませんね。名前くらい聞いたことはある人は多いのではないでしょうか。もちろん何代目の大統領なのか自信を持って言える人は少ないかも知れませんが……

自分の再選に向け、とにかく敵を作りたくて死に物狂いの現大統領と引き比べて読んでみるのも如何でしょうか?

さて、本日の読書欄で注目なのはもう一点、こちら、『保健室のアン・ウニョン先生』です。

いま大人気の韓国小説の一つです。あたしもいま読んでいます。とても面白いです。

霊が見えるというアン・ウニョン先生が学園の魔を退治すると聞けば、ちょっとホラーテイスト(?)の作品なのかという気もしますが、怖さはまるでなく、むしろほのぼのとした空気さえ漂っています。評にもあるように、学校に巣喰う魔とは韓国社会の闇、生徒たちの閉塞感などの比喩なのでしょう。

しかし、アン・ウニョン先生、飄々としつつも必死で、だからこそ滑稽です。そして何よりも面白いと感じるのは霊を退治する道具立てです。日本であれば、作品によるのでしょうけど、もう少しおどろおどろしい感じを演出するのではないかなあと思いつつ、このあたりの軽さが本作品の魅力でもある気がします。

帯にはTVドラマ化とあります。ぜひ日本でも放送してほしいものです。