罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

さよならも言わずに

いや~、変な夢を見ました。

コロナは終息したのか、あたしは書店回りをしていました。久々に訪問する書店です。

ところが、ずっとよくしてもらっていた馴染みの書店員さんがいないのです。店長がいたので聞いてみると辞めたとのこと。驚いていると、今回の自粛時期、お店を開けられなかったので売り上げが立たず、正社員以外の人員はいったん解雇という非常手段を執ったとのこと。

では、コロナも落ち着いて営業も再開した訳なので再雇用はあるのですかと聞くと、売り上げが軌道に乗るまでは難しいという話。それに軌道に乗ったころに声をかけても、復帰してくれるかどうかわからない、とも。

確かに、解雇されて無職のままでいる訳にはいきませんから、再就職先を探したでしょうし、そこを二三ヶ月で辞めてまた書店に戻ってくるかと問われれば、それは極めて悲観的にならざるを得ません。

そんな書店が、いくつもありました。それこそ、行く書店、行く書店どこも同じような状況です。コロナ以前に訪問してたわいのない話をしたのが最後になってしまいました。お互いにきちんと別れの挨拶を交わすこともできませんでした。

という実に奇妙であると共にリアルな夢でもありました。確かに書店って、実は正社員は本当に数えるほど、一人か二人しかいないお店がほとんどだと思います。そこでアルバイトとパートを辞めさせてしまったら日常業務は回るのでしょうか?

そんなちょっと後味の悪い夢を見たからなのか、今日は気づくと頭の中でこの曲が流れていました。沢田聖子のファーストアルバムに収録されていた曲です。ちゃんと挨拶できなかった夢の中の状況がこの曲のタイトルそのままだったので……