罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

読み方で立ち位置がわかる?

香港が揺れていますね。

実は今回揺れているだけでなく、雨傘運動のころからずっと揺れ続けていて、時々大きな揺れになる、そんな印象を持っていました。香港の地面は常に微弱な振動がもう何年も続いている感じに思えます。

しかし、今回の揺れは揺れどころではないと思います。激震です。国際社会が今後どう反応するか注視していかないとなりません。もちろん声明などの形で抗議をしているようですが、相変わらず中国政府は「内政干渉には断固反対」の一点張り。

それにしても、これほどの強硬姿勢、いったい中国政府は何を恐れているのでしょう? それほど自分たちの統治に自信がないのでしょうか? ある程度の言論の自由民主化をしたからといって、すぐに共産党が政権から引きずり下ろされることになるとは思いません。そうなるには十数年はかかるのではないでしょうか?

さて、日本を含めた欧米諸国はどう出るのでしょうか? 海外企業もどんどん香港から逃げ出すのでしょうか? 人もいなくなり、企業も金も逃げてしまった香港にいったいどんな魅力が残されるのでしょうか? アヘン戦争以前ののどかな漁村に戻ってしまうことはないでしょうが……

早速施行された国家安全法で逮捕者が出たというニュースを見ていて気づいたのですが、こんなプラカードがありました。

我愛HongKong

不愛XiangGang

「私が愛するのは香港(HongKong)であって、香港(XiangGang)ではない」

HongKongは香港の広東語による発音、XiangGangは標準中国語の発音です。学生時代に中国語を習い始めて「香港」は「ホンコン」ではなく「シアンガン」だと知ったときはちょっとした驚きでした。

香港の人々はもともと広東語を話していて、いまも大多数はそうなのでしょうが、このところ標準語が大々的に流れ込んできて学校教育の現場でも広東語は少数派に追いやられているそうです。言葉はアイデンティティーと密接不可分ですから、このプラカードが表わすところは極めて明白です。