罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国、核ミサイルの標的

中国、核ミサイルの標的』読了。


中国軍(人民解放軍?)の不透明さというのは、例えば何がどこに配備されているのか、予算は実際にはどのくらいなのかなど、いろいろ言われています。実際問題としてそれはその通りなんでしょうけど、本書のように中国の怖さばかりを強調するのは、どんなものなのだろうとも思います。


中国のことを勉強し、毎年のように中国へ行き、中国人の友人もいる身からすると、本書にあるように中国が武力行使をする可能性というのは極めて低いと思います。中国という国は、確かにいざとなれば武力を用いる国だと思いますが、その一方で最後の最後まで武力に訴えることを回避しようとする国でもあります。


日本も中国もお互いに日中友好の大切さは認識しているはずなのに、どうも解決しようというメッセージの発信が弱く、またそれに輪をかけてそのメッセージを受信するアンテナが機能していないような昨今、本書のように対決姿勢ばかりを強調するギスギスした日中関係は果たして将来に対して(別に日中関係に対してだけでなく)いいことなのだろうか、と思ってしまいます。